ｃｈさんのコメント欄への投稿『詩』、まとめました。
ご覧下さい。

2010/2/15

ライオンになった夢

なかなか　めんこい
縞馬だったﾅ
なんとなんと　やわらかい…
これで　１月は寝て暮らせる

なかなか　めんどい
縞馬だったﾅ
なんとなんと　すばしこい…
これでも　わしはライオンだ

なかなか　めざとい
縞馬だったﾅ
なんとなんと　おかげで…
これでもかと　走った

なかなか　めざめない
朝だとﾅ
なんとなんと　夕べ
馬刺しを　食ったのだ

2010/1/9

男は死んで金魚になった

腹一杯の芋　食った
食って　食い過ぎて
男は死んで金魚になった

水槽一杯の餌　目もくれず
目もくれず　寝過ぎて
金魚は男の夢を見た

花一杯　部屋に飾って
飾って　心淋しく
男は金魚を眺めてた

身体一杯　空気を吸って
吸って　吸いすぎて
金魚は男より大きくなった

顔一杯　笑みを湛えて
湛えて　ベランダに出て
金魚は死んで男の子になった

2009/７/14

朝５時

蝉の声　シャンシャンと

すず風　身体を通り抜け

夜の　熱き炎は冷まされて

今日も１日　始まると

2009/1/24

出目金　独り　水槽の中

退屈しない　外の景色

尾びれ　ふりふり

今日も　一日　眺めてる

2008/9/25

藤袴
すみれ色でもなし
さくら色でもなし
ゆき色でもなし
あるやなしやの色をして

藤袴
きっと故郷は土手の上
すすきと一緒になびいてる
とんぼと一緒に遊んでる
川を眺めて暮らしてる

藤袴
ベランダの鉢で咲く花を
誰も振り返りはしないけど
秋の夕闇でぼんやりと
眺めて暮らす人もいる

2008/8/28

夏は終わりぬ

木立は湿り

名を知らぬ

花の紫　濃く

蝉に黙祷し

夏は終わりぬ

2008/8/7

花火は子供を騙す
暗闇に花の絵を描いて
未知の世界に連れて行く

花火は子供に夢を渡す
光と優しさに包まれる時もある
一瞬の輝きに驚く事もある

花火は子供を脅す
暗闇にはおどろおどろの花がある
昼には見えないものがある

花火は子供に残す
いつか未来の時に
暗闇に輝く大きな花を

2008/6/6

今年の梅雨は
元気がいい

芝生は胸をはだけて
水浴びをし

田んぼはさざ波をつくって
笑っている

雨が止んだら
大きな虹

鴉がその下をくぐって
帰って行く

胸におおきな赤い絵を
夢見つつ

2008/5/2

五月の風は

孕んでいる

雨雲に包まれた嬰児を


五月の風は

思っている

真夏の光に耐えられない老木を


五月の風は

手で触れる

そそり立つビルディングの角を

窓辺の布団の丸みを

濁った池の温度を

2008/1/22

ほろ　ほろ
ほろ　ほろ
鳥が鳴く

昨日降った雪は
あとかたもなく

ほろ　ほろ
鳥が鳴く
ほろ　ほろ

眉間のしわは
消えることなく

ほろ　ほろ
鳥が鳴く
ほろ　ほろ

何処へ行くのか
何を待っているのか

ほろ　ほろ
鳥が鳴く
ほろ　ほろ

池は漣もたてず
黙って目を伏せる

鳥が鳴く
ほろ　ほろ
ほろ　ほろ

2008/1/13

いつもと同じ夜に


十字路は


右に曲がると　駅前に

本屋もあるし　パチンコ屋もある

真っ直ぐ行くと　だらだら坂道で

枯れた田んぼに　小さな池

左に折れると　生垣に

サガンカの花　門灯の薄明かり

後ろを振り返ると　ケーキ屋さん

テントの奥から　バニラの匂い

十字路は

右に曲がると　駅からは

知らない街へと　電車が走る

真っ直ぐ行くと　下へ下へ

突き当たりに　暗い池が待っている

左に折れると　家に帰る

暖かい炬燵に　鈍い毎日

後ろを振り返れば　想い出ばかり

苦いコーヒー　虚ろな空気　

2007/12/29

冬眠中

あまり寒くもないのに

思案中

あまり考えることもないのに

休暇中

いつも休んでいるのに

2007/5/1

遠い遠い処で

トランペットの音が

歩き始めの幼子に似て

ぽろぽろと


遠い遠い処で

犬の吼える音が

女の子の赤い声に混じって

うわんうわんと


遠い遠い処で

雨上がりの山は低く

藍色に染めた布に似て

ながながと


遠い遠い処で

灰色の雲は白い塊を包んで

急ぎ足で帰っていく

そっとそっと

2007/3/15

寒空のあぜ道に

縮こまった白い花が

点々と続く

畑の中に建った

コンビニは

駐車場の白線に

トラックを並べる

エリカの香りの小さな空間で

撫子の花を眺めて

ただ　ただ　時を使う

遠くにジェット機の音が･･･

行き先は何処だろう

2007/2/8

誰から聞いたのか

誰が教えたのか

干上がった池に

鳥の群集が


ゆりかもめの群れは

羽を揺らせて

朝日の中で舞い

白鷺は長い脚と嘴で

池のあちこちを歩く

2006/12/18

雨の寺で


寒牡丹は

今孵化したばかりの

薄紅色の羽を丸めて

菰の中に居た


抱きしめてくれる葉もなく

痩せた木にしがみついて

何故こんなにも紅く

咲いていられるのだろう

2006/12/15

背を丸めて

猪はスルメを食らう

歯は未だ大丈夫か？・・・

歪んだ顔で

ベランダの赤い花を

片目で眺めつつ

今年も墨をする

2006/11/24

早朝の秋色に染まった

桜並木の下

自転車が十数台

無言で通る

小川のメダカの群れ

群れの後から親メダカが三匹

少年野球が始まるのだろうか

メダカの群れはバットを

積んでいた

2006/11/8

ビニール袋

北風に煽られ

何処へ行くのか

ふらり　ふらり

公園の上

中身は何もない

かるい　かるい

風まかせ


引っ掛かりたくない

落ちたくない

2006/11/2

秋の日溜りで

襤褸を引き裂く

遠い山奥で

流星群に出会った

真夜中に熱い珈琲を

手に包んで

その人は云った

僕達は今地球に乗って

星屑の中を通り抜けているのです

星はスーーと

カミソリの刃で天空を切った

秋の日溜りは

何かを反芻する

2006/10/7

雲が恐い顔して

走っていく


路地には萩が

こぼれて


陽射しは鈍く

水路に鉛を流す

2006/9/24

夕方の電車は

遠くの山並みも

黄金の稲田も

少し青みを帯びて

赤い紐は彼岸花


駅に降りたら

通りには祭りの提灯

鬼灯になり

奥へ奥へと

渡って行く

あーあ
昔はよかったなぁ

だんご鼻のネェちゃんは
可愛かったし
ガキは鼻たらして
走りまわっとった
喧嘩負けたらあかん
下駄もってなぐってこい
なんてカァちゃんに怒鳴られた
道は砂ぼこりやったけど
日が暮れたら打ち水して
縁台将棋
喫茶店は煙草の煙もうもうで
こーひは美味かったもんなぁ
電車はガッタン　ゴットンゆうて
夜汽車は哀しかった
ほんま昔は情緒ちゅうもん
あったんや

ホント
昔はよかったよ

鼻にピアスした男の子が
髪逆立てて地面に座って
いたりしてさ
携帯電話で話しながら
自転車に乗ったっけ
腹がたったらゲーム機でバトル
腹が空いたらコンビニに
行けば何でもあったしね
道路はアスファルトで夏には
太陽がギラギラ輝いていた
夜は駅前でギターを
聴かせる人もいて
自動販売機なんてのがあって
暑いコーヒーだってすぐ
出てきたものさ
新幹線はスマートだし
航空機は一日で夏から冬の季節に
運んでくれた

ホント
昔は何もかもそろっていたなぁ

2006/9/16

見上げれば

桜の樹が丸裸

毛虫君

そんなに貪欲に

ならなくても---

周りを見ると

寿司の皿山積み

人間君

そんなに貪欲に

ならなくても---

2006/9/6

夜更けの道に

無人の電車

黄色い光を残し

月は雲海を

音もなく泳ぐ

稔りかけた稲穂は

日なたの匂いを

まき散らして

胸一杯に満たされる

2006/8/28

つくつく法師が鳴いた

夏の日盛りも

冷たいシャワーも

昼寝の後の西瓜も

花火大会も

お化けごっこも

夾竹桃の花も

入道雲も

さようなら

2006/8/19

蛙は鳴かずに

稲は緑をびっしり広げ

茂った蜜柑の木は

球形の実を隠し

眠れぬ夜空には

赤い照明灯が点滅する

2006/8/7

朝の公園は

草が刈られていがぐり坊主

今日も真夏日か

蝉の響き脳天に達し

無風の池に樹木は

重く影を落とす

鴉が一羽

大きく口を開けよたよた歩く

真夏の喪服は辛かろう

2006/7/20

長雨の間に

山はかすみ

樹は重く腰曲がり

行き先見えず

人は何をしているのかと

ただ眺める

2006/7/13

満月は銀色に光り

雲は墨色を流す

天は

誰の為に

この綴れの帯びを

織ったのか

2006/6/30

暗闇に

くちなしの香りが漂う

白い花は見えない

近くにありながら


ただ香りは

遠い日の暗闇と重なり

今はもう胸の奥に

残っているだけ

2006/6/22

篠つく雨に

かいつぶりが踊る

羽の扇子を広げて

忙しく

ろろろ・・と唄って

もぐり

ひよぃと顔出し

滑る

池はすりガラスとなり

何も映さず　

雨の音だけ返す

2006/6/10

梅雨の空は優しい


雨が降るでもない

風が吹くでもない

陽が射すでもない

何をするでもない


ただじっと人を眺める

2006/6/2

おお

田んぼは

鉛色の水が張られ

沈んだ顔をしている

緑のひ弱い苗を

これから育てるのに

水の下には

みみずはいるだろうか

蛙は鳴くだろうか

2006/5/19

茶碗の中に

カラスがいる

目をつむって飲むと

腹の中でカラスは

かぁーと鳴いて・・・

葛根湯の味がした

2006/5/4

ゆれている

らんの葉がゆれている

五月の風がゆらしてる

ゆれている

写真の顔がゆれている

記憶の波がゆらしてる

五月の風は

遠い昔の肌触りを

感じる

2006/4/27

10年は2本の線

レールとなって風景が遠ざかる

1年は螺旋

同じ場所で去年が見える

1ヶ月は階段

月末まで昇ってストンと落ちる

1日は1本の線

朝起きて＿＿夜眠る

今は点

未来は無限

2006/4/24

いつのまに

大きくなったのか

えんどう豆はパステル色の

花をつけ

葱は青々と

太筆の勢いで伸びる

アスファルトの道路のそばで

排気ガスに負けないで

夏の日照りまで

2006/4/19

ひんがしの

のにかぎろいの

たつみえて

瀧と化した桜は

飛沫を散らして

人の頭に

降り積もる

2006/4/6

麺食ラッタ

カメハ

アタマヲブツケテ

ハットキガツク

ワタシハ

ナニヲシテイルノダ

マエヲミテ

モノヲウツスノダ

スミカラスミマデ

コレハニンゲンニハ

デキナイノダ

メンクラッテイル

バわイジャナイ

2006/4/5

この渦巻いているものは

何だ

哀しみか

歓喜か

古寺の桜が

咲き誇る中で

胸に渦巻くものは

逃げ場を失う

2006/3/31

燕の群れは

自由気ままだ

下から上へ

右から左へ

揃うことなく

ぶつかることなく

空を駆け巡り

一時の空中サーカスを

見せて

何処かへ

消えて行った

2006/3/29

雷よ走れ！

暗い空を駆け抜けろ

稲妻を投げよ

音を轟かせ！

雨を降らせろ

行け

山の彼方から

都会の真中まで

2006/3/25

春の朝は

水を含んだ植木鉢の

黒い土に

光を吸い込んだ花が

開く

春の緑は

生々しくて

子供の目をしている

2006/3/18

メンクラウ

メンクラウ


カメガ

ウチュウジンニ

アッテ

メンクラウ

2006/3/10

鏡の中に

黒い帽子を被った

猿がいる

ウィンクをすると

くわえたバナナを

落した

或る人のかたち ---------- 2006/3/3

男は
身の丈程の穴を掘り
肥やしを入れて
小さな薔薇を
一本植えた
花が咲いたら
興味を失った

男は
大平原に憧れた
太陽を想い
風を感じ
月の光の中を歩いた
しかし
一度も大平原には
行かなかった

男は
音楽が好きだった
チェロを買って
楽譜を眺めて
永い時を過ごした
しかし
終にチェロを
弾くことはなかった

男は
初めて歌をうたった
病床でこっそりと
自分の夢を託した
人への讃歌だった
しかし
それは誰も
知らない

或る日
男の墓に薔薇が
一輪
大きく咲いた

2006/2/27

池の水は

満ちてくる

満ちてくる

底に廃棄物を

沈めて

満ちてくる

満ちてくる

何事もなかった

何時もの風景に

満ちてくる

満ちてくる

云いそびれた

言葉も

深く深く沈む

2006/2/25

はしりの春の

朝は洗い晒した

ごわごわの綿布

風は久しぶりに

家の中を通り抜け

光は道の並木に

一緒に仕事しょうと

誘う

2006/2/22

少し太った鯰は

ごぼごぼ咳きをする

清い水は身に合わない

ぬらぬら汚れた

川底で身を丸めて

外をみる

オリンピックの声援が

空々しい

2006/2/18

雪山をみた

どーーんと

胸に響く

余韻が裾野にひろがり

白い肌に朝日が

紅を掃く

2006/2/8

二月の雨は

涸れた池を濡らし

白鷺が舞い降りる

冬色の芝生に

緑がにじみ出て

すべり台の手すりを

艶やかな赤に変える


池はやがて

新しい水が送りこまれ

捨てられた自転車は

池の底で

光るモニュメントになる

生き残った小魚達の

2006/2/6

干上がった池の

底から自転車の

半輪が突き出ている

轍が泥土に

狂った線を描く


先端には亀が

もがいていた

2006/1/30

蜘蛛は

月光を浴びて考える

夜露の灯を点した巣を

綻びが其処彼処にある巣を

昼間の灰色に縮んだ巣を

もう一度編むには

時間が足りない


蜘蛛は

朝日の中で干からびていた

脚を巣に預けて

2006/1/24

凍えたアスファルトは

車に塩をふりかけ

がちがちに固める


畑は灰色の畝を

白糸でかがりつけ

曲線の技を見せる

2006/1/19

湯船に身を沈めた

痩せ蛙は

時々細目をあけて

恥じいる

集められた身の垢は

うす汚れてーー

それでも頭をたたくと

ｻﾝｷｭｰと鳴く

2006/1/14

水溜りに

雨が忙しく

次から次へと

輪をつくっていく

車が走り抜けると

壊れた輪に

尾灯の赤が

したたり落ちる

2006/1/10

電車の窓に川が・・

無数のピンポン球

風にふかれて

川のカーブにゆーらゆら


子供が手を振り下ろすと

白い羽が生えて

一せいに大空へ

飛んでいった

2006/1/6

フィルムが再び回り

「ジュラシック　パーク」

始まる


アパトサウルスは

子供を3基従え

どうどうと

年の初めの能を舞う


観客は身を硬くして

寒空の舞台を

眺める

2005/12/30

年末の墓地は

賑々しく

磨かれた墓石は

生き生きとした花に飾られ

陽光に光る


夜がくると

草葉の陰を失った

亡者たちは

高層ビルの明かりを背景に

ミュージカルを踊る

2005/12/27

鴨が五羽

オリーブグリーンの池を

カシオペアの形になって

滑って行く

それぞれ　八の字に

白いレース糸を

引っ張りながら

2005/12/22

郊外に降る雪は・・・


犬はくさりを放たれ

人は頭を垂れ

樹木はぐっと踏ん張り

鴎は嬉々として舞い

ぶらんこはしんとして

雪を積もらせる

2005/12/21

青いｲﾘｭﾐﾈｰｼｮﾝ

明るいｸﾘｽﾏｽﾂﾘｰ

夜空に向かって

尖ったﾋﾞﾙﾃﾞｨﾝｸﾞ

ﾌｧｽﾄﾌｰﾄﾞの匂い

地下街の入り口は

生暖かい風を噴出し

人がすいこまれていく

2005/12/17

ゆりかもめが三羽

ゆき混じりの風に

あららー　ふーらふら

あとじさりしながら急降

ちゅう返りしてすーいすい

ちゅうに舞った凧になって

きりきりきり

すりかけた硯の

すみの香がする

2005/12/11

不思議だ

花は色を失い

果実は形を崩し

貝は砂浜で風化する

人はそれらを慈しみ

雲はわきいで

月はみちる

2005/12/10

不思議だ

百合は百合の形をし

林檎は林檎の形をし

貝は貝の形をし

人は人を愛し

雲がながれ

月がかける

2005/12/6

雨あがりの街

濁った狭い川に

ビルが映る

道路は銀色に光り

車が走り抜けると

湿った風が

追いかける

2005/12/4

雨が降った

水溜りに傘を持った

河童がいる

石を蹴ったら
にゃっーと

笑った

2005/12/3

早朝　電車で立つ

低い山々手前は紫

向こうは茜

頂上から角砂糖を

落して山裾に

堆積している

パンの焼ける匂いがーー

2005/11/30

鵜が空を飛んでいる

黄色い冬のそら

家々は電線に

繋がれて

じっとしている

2005/11/26

日溜りに座る

みかんも柿も動かない

やかんもコンロの上で

黙ってる

途切れとぎれに

読経が聞こえる

2005/11/23

駅前の

建築現場は

ジュラシックパーク

囲いの中から恐竜の

長い首が突き出てる

ダンプが餌を運ぶと

優美に動いて

オジギする

2005/11/22

夕闇に

駅前のアパトサウルス

一段と高くなる

真っ赤な目をして

吐息は灰色の雲となり

暗い空にたなびく

長い首は

やがてバラバラになり


ビルディングが

現れるのを知っている

2005/11/20

手すりに三角形の

蜘蛛の巣が

どんな計算をしたのか

しなかったのか


向こうの窓には

洗濯ものが

ピンク　黒　紫　白

勝手気ままに陽に当たってる

2005/11/18

校門の桜の木は

渋柿いろで

尻のところがまだ青い


校舎の隅のコスモスは

夕映えに

残りの花が透けている

2005/11/15

夢をみた

長い降り廊下をあるく
　

左に曲がる

狭い商店街にでる

左に曲がる

路地に黄色い門灯が並んでいる

左に曲がる

食べ物の匂いがする

左に曲がる
派手なドレスが天から地まで

ぶら下がっている

商店街にでる

どこにも出口はなかった

2005/11/12

痩せたセイウチが一匹


家に居る

畳の上でゴロゴロ

食卓でモグモグ

風呂でプカプカ

ベッドでグウグウ


こうして一日は終わる

2005/11/8

朝早く駅に急ぐ

ストローで吹いた雲

丸い形をした太陽

寝ぼけた田んぼは

緑のうすい

ヒゲを生やしてる

2005/11/6

コツコツch**

**chオヤ**

ch****アア

**？？**ch

マア**ch**

**ch**ウン

2005/11/2

池は

抹茶を溶かして

風が吹くと

空を映した縮みが流れる

土手は

背高アワダチソウが

競っている

2005/11/1

寺にいった

ういのおくやま

けふこえて

あさきゆめみし

えひもせす

円成寺はそんな寺だった

2005/10/30

電柱の頂にカラスが

うつむいて　

じっとーー

何をみているのか


やがてハスキーボイスを

一つ残して去った


木陰に縫いぐるみの

熊が座っていた

2005/10/27

扉を開けた

猫が2匹いる

冷蔵庫がある

ふきんが掛かっている

庭の雑草の中で

ゴジラの目が2つ

こちらを見てーー

笑っていた

2005/10/23

黒い林檎が2ケ

テーブルの上に並んでる

いびつな形をして


西日が射した

それぞれ

ワイン色に輝き出した

2005/10/21

アパトサウルスが

夕焼けに4基立っている

何を食ったか

鉄の骨が積み重なって

赤い空に

ビルと化す

2005/10/17

路面電車に乗った

洗濯物が

うでを広げて並んでる

背高ｱﾜﾀﾞﾁｿｳが

帯を広げて並んでる

つり革が

横にゆれて並んでる

自転車が

遮断機の前で笑っていた

2005/10/14

青いサテンを広げた

山波

裳裾を引きずっている

枯黄色のウールを着ている

山々

尖ったものは何もない

2005/10/10

風呂に入った

曇った鏡のなか

歯ブラシを持った鬼がいる

シャンプーをかけた

マヨネーズのキュゥピーに

なってしまった

2005/10/7

夜道を歩いた

稲の匂いを吸い込んだ

雨上がりに

白いレインコートが立っている

それはーー

田んぼの中だった

2005/10/7

檜の山から出た

夕日が落ちて行く

ハイウェイは街までつづいている

薄明かりの空に

氷のかけらの月が見えた

2005/10/5

雨が降った

枯れた月見草の上に


灰色の空の下

遠くで薄黄色の

あかりが少しづつ増えていく

2005/10/4

新世界を歩いた

空にふぐが泳いでる

喫茶店に入った

新聞を読む

テレビの画面を馬が走っている

珈琲は昔の味がした

2005/10/2

さんまを食った

頭と骨と尾が残っている

骨を拾って壷に入れ

胸に収まった

2005/10/1

電車に乗った

ラケットの横に光っている

脚がある

うつむき加減に座っている

扇風機がある

駅の売店に柿が並んでいた

2005/9/28

寺に行った

萩は盛りを過ぎていた

通りに音はない

「ゆ」の字の暖簾が下がっている

隅に牛乳石鹸とあった

2005/9/26

珈琲を飲んだ

黒い悪魔が沈んでいる

ミルクをいれた

森永のエンジェルにーー

なってしまった

2005/9/22

谷に行った。

小川で蟹と遊んだ。

藪のなか、ナニカ　カケタカーーと

鳥が鳴いていた。

（　3日坊主はダメダ
　　　　コチラも3回坊主になる。）

2005/9/17

月を眺めた。

飛行機の点滅が雲に消えた。

秋刀魚の焼く匂いがする。

2005/9/15

山へ行った。

目に山を焼き付けて、

肺に山を吸い込んで、

足に山を覚えさせて、

大阪駅に着いたら、

大阪の匂いに包まれてしまった。